2026年コアアップデートの変更点と過去との違い
2026年のGoogleコアアップデートは、過去数年間のアップデートと比較して、評価軸の統合という点で大きな転換点を迎えています。単一の品質基準を強化するという従来のアプローチから脱却し、複数の評価レイヤーが連動して機能する仕組みへと進化しているのが最大の特徴です。
過去のコアアップデートとの時系列比較
まず、直近数年間のコアアップデートの流れを整理しておくことが重要です。
- 2023年当時:Helpful Content Systemの独立した運用が開始され、人のために書かれたコンテンツかどうかを判定するシグナルが検索ランキングに明示的に組み込まれた。この時点では、Helpful Content評価はサイト全体に影響を与えるサイトワイドシグナルとして機能していた。
- 2024年当時:3月のコアアップデートにおいて、Helpful Content SystemがコアランキングシステムへとさらにInsideに統合された。同時に、低品質コンテンツや大規模自動生成コンテンツへの対処が強化され、多くのサイトが大幅な順位変動を経験した。この時期のGoogleの公式発表は Google Search Central で確認できる。
- 2025年当時:E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の評価精度が向上し、著者情報や一次情報の有無が順位に与える影響がより明確になった。またAIによるコンテンツ生成が急増する中、オリジナリティの評価基準が細分化された。
- 2026年現在:AIOverviewsをはじめとするAI検索機能とコアランキングシステムの評価基準が実質的に連動する形へと移行。コンテンツの評価がページ単位・サイト単位の二層構造で行われるようになった。
2026年コアアップデートの主要な変更点
Googleが公式に示している変更の方向性として、コンテンツの有用性を測るHelpful Content基準がページレベルの評価にまで細粒化されたことが挙げられます。2024年当時にサイトワイドシグナルとして統合されたHelpful Content評価は、近年のアップデートを経てページ単位での判定精度が大きく向上しており、サイト全体の品質が高くても、個別ページの有用性が低いと評価された場合には、そのページが単独で順位を落とすケースが報告されています。
次に注目すべき変更点は、AI検索連動型の評価軸の登場です。GoogleのAIOverviewsは、コアランキングとは別のレイヤーで動作していると長らく説明されてきましたが、直近の動向ではAIOverviewsに引用・参照されるソースと、通常の検索結果で上位表示されるページとの重複率が高まっており、評価基準の実質的な一体化が進んでいることが示唆されます。Googleは Google公式ブログ において、AI検索の品質向上とコアランキングの改善を同一の文脈で語るケースが増えています。
また、スパムポリシーの適用範囲も2025年当時よりも拡張されています。人工的なリンク操作や、ユーザーの検索意図に対して実質的な回答を提供しない薄いコンテンツへの対処が自動化されており、手動対策とアルゴリズム対策の境界線がより曖昧になってきています。最新のスパムポリシーについては Google Search Centralのスパムポリシー を参照してください。
Helpful Content基準の進化:2023年からの変遷
Helpful Content基準は、導入当初の2023年当時と比較して、その評価の解像度が大きく変わっています。当初は主に「AIが大量生成したような薄いコンテンツ」を排除することに重点が置かれていましたが、現在の基準はより積極的な方向に進化しています。具体的には、コンテンツがユーザーの課題を実際に解決しているか、情報を読んだ後にユーザーが別の情報源を探す必要がない状態になっているか、という観点での評価が強まっています。
Googleが公開しているQuality Raters Guidelinesの最新版でも、この方向性は明確に示されています。一次情報・実体験・固有のインサイトの重要性が繰り返し強調されており、これが2026年現在のコアランキング評価に直接反映されていると理解するのが妥当です。Quality Raters Guidelinesは Google公式PDF で公開されています。
過去のアップデートとの最も根本的な違いをひと言で表すなら、評価の対象が’コンテンツの形式’から’コンテンツが生み出すユーザー体験の実質’へと移行している点です。これは、これまでのSEO対策の多くが前提としてきた「適切なキーワード密度」「適切な文字数」「内部リンク数」といった形式的な指標では、2026年現在のコアアップデートには対応しきれないことを意味しています。
順位下落は本当にコアアップデートが原因か?原因切り分けの診断手順

順位が下がったとき、真っ先にコアアップデートを疑いたくなる気持ちはわかります。しかし実際には、コアアップデート以外の要因が原因であるケースも少なくありません。誤った原因を前提に対策を進めると、時間とリソースを無駄にするだけでなく、本来解決すべき問題を放置することになります。まず落ち着いて、原因を正確に切り分けることが回復への最短ルートです。
ステップ1:下落のタイミングとGoogleの公式発表を照合する
最初に確認すべきは、順位下落が起きた日付とGoogleが公式に発表したアップデートの展開時期が一致しているかどうかです。Googleはコアアップデートをはじめとする主要アップデートを、公式のGoogle Search Central Blog(https://developers.google.com/search/blog)や公式X(旧Twitter)アカウント @googlesearchc で告知しています。
Google Search Consoleの検索パフォーマンスレポートを開き、期間を過去3か月に設定してクリック数・表示回数・平均掲載順位のグラフを表示させてください。下落が始まった日付を特定したら、その日付がGoogleの公式告知と重なっているかを確認します。タイミングが一致していれば、コアアップデートの影響である可能性が高まります。一方、アップデート告知とは無関係の日付に下落が始まっている場合は、別の原因を疑うべきです。
ステップ2:Google Search Consoleでペナルティ・手動対策を確認する
コアアップデートによる評価変動は、Googleが「ペナルティ」として認定するものではありません。そのため、Google Search Consoleの「手動による対策」レポートに通知が出ているかどうかを必ず確認してください。左メニューの「セキュリティと手動による対策」から「手動による対策」を選択し、問題が検出されていないかを見ます。
ここに警告が表示されている場合、それはコアアップデートではなくリンクスパムやコンテンツ品質に対する手動ペナルティである可能性が高く、対応方法がまったく異なります。同様に「セキュリティの問題」レポートも確認し、マルウェアやハッキングによる悪影響が出ていないかもチェックしてください。
ステップ3:インデックスとクロールの状態を診断する
順位下落の原因がクロール障害やインデックスの問題である場合、コアアップデートとはまったく異なる対処が必要です。Google Search Consoleの「インデックス作成」セクションにある「ページ」レポートを開き、インデックスされているページ数に急激な変化がないかを確認します。
インデックス済みページ数が突然減少している場合は、robots.txtの誤設定、noindexタグの意図しない追加、サイトマップの破損などが疑われます。またURL検査ツールを使って、主要な下落ページが正常にインデックスされているかを個別に確認することも有効です。googleにインデックスされない原因と対応策も参考にしながら、クロール・インデックス起因の問題を先に排除しておくことが重要です。
ステップ4:GA4でトラフィックの下落パターンを分析する
GA4を使ってトラフィック下落の範囲と性質を確認することで、原因の絞り込みが進みます。以下の観点でデータを確認してください。
- オーガニック検索トラフィックだけが落ちているのか、それとも全チャネルで落ちているのか
- 下落しているのが特定のページ群に集中しているのか、サイト全体に及んでいるのか
- 特定のデバイス(モバイルのみ、PCのみ)に偏りがあるかどうか
- 直帰率や平均エンゲージメント時間に同時期の変化があるかどうか
オーガニック検索だけが落ちていて特定のカテゴリページに集中している場合はコアアップデートの影響パターンに近く、全チャネルで落ちている場合はサーバー障害やサイトリニューアルによるものが疑われます。特定デバイスだけの下落であればCore Web Vitalsやモバイルユーザビリティの問題が原因の可能性もあります。
ステップ5:競合サイトの動向を確認する
自サイトの順位が下がったとしても、競合他社が同じキーワードで新たにコンテンツを強化・刷新した結果として相対的に押し下げられたケースがあります。この場合、自サイト自体の評価が落ちたわけではなく、競合の評価が上がったことが原因です。
Google Search Consoleの検索パフォーマンスレポートで、下落したキーワードを個別に確認し、以前と比べて掲載順位が何位から何位に変化したかを把握してください。その後、実際に対象キーワードで検索して上位に表示されているサイトが以前と変わっていないかを目視確認します。新たなメディアや公的機関のページが上位に入り込んでいる場合、それはコンテンツの相対的な評価変化であり、自サイトの改善によって対応すべき問題です。
原因別の判定チェックリスト
以上のステップを踏まえて、下記のチェックリストで原因を整理してください。
- 手動による対策の通知がある → ペナルティへの対処が最優先
- インデックス数が急減している → クロール・インデックス障害の調査へ
- 全チャネルのトラフィックが落ちている → サーバー・リニューアル起因を疑う
- 特定デバイスのみ下落 → Core Web Vitalsやモバイル対応の問題を調査
- Googleの公式発表と下落タイミングが一致し、オーガニックのみ広範囲に影響 → コアアップデートの評価変動として対応
- 競合サイトの新規参入や強化が確認できる → コンテンツの質・権威性の見直しへ
診断の結果、コアアップデートが原因である可能性が高いと判断できた場合にはじめて、コンテンツの品質評価や E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の観点からの改善作業に着手するべきです。原因が曖昧なまま対策を始めることは避けてください。なお、順位変動を日常的に記録・追跡する環境が整っていないと、こうした診断作業の精度が著しく下がります。SEO対策で順位計測って今だに意味あるの?で解説しているように、変動をリアルタイムで把握できる体制を事前に整えておくことが、迅速な原因特定につながります。
2026年コアアップデートで評価が下がりやすいコンテンツの共通パターン

Googleのコアアップデートは、単に「悪質なスパム」を排除するだけでなく、一見まともに見えるコンテンツの中にある質的な問題を精度高く検出する方向へと進化を続けています。直近のアップデート動向を踏まえると、評価が下がるコンテンツにはいくつかの明確な共通パターンがあります。自サイトが該当していないかを確認する出発点として、以下の類型を把握しておくことが重要です。
表面的なE-E-A-T対応にとどまっているコンテンツ
著者プロフィールを追加し、監修者名を記載し、参考文献リンクを貼る。これらはE-E-A-T対応として広く知られた施策ですが、2026年時点のGoogleはこうした「形式的な対応」と「実質的な専門性・経験」を区別して評価できるようになっています。
具体的には、監修者の名前はあるものの本文の内容が一般的な情報の羅列にとどまっていたり、著者プロフィールは充実しているのに記事本文に著者固有の視点や経験が一切反映されていないケースが典型例です。Googleの品質評価ガイドライン(Google Search Quality Evaluator Guidelines)でも、経験(Experience)は単なる肩書きではなく、コンテンツそのものに体験や判断が滲み出ているかどうかで判断されると示されています。
- 著者・監修者の名前はあるが、本文が一般情報の転載や要約のみで構成されている
- 一次情報や独自の調査・検証が一切なく、他サイトで読める内容と差異がない
- 「専門家監修」と記載があるにもかかわらず、専門家でなければ書けない情報が含まれていない
- 参考文献リンクはあるが、その内容を自サイトが独自に解釈・補足する視点がない
E-E-A-Tの「E(Experience)」は特に近年のアップデートで比重が増しており、実際にそのテーマに関与した人間だからこそ書ける情報があるかどうかが評価の核心に置かれています。
AIが生成した薄いコンテンツへの厳しい評価
生成AIを活用したコンテンツ制作は多くのサイトで普及していますが、Googleは「AIが書いたかどうか」ではなく「人間にとって価値があるかどうか」を基準にしていると公式に説明しています(Google Search Central公式ブログ参照)。その一方で、実態として問題視されているのは、AIが生成した内容をほぼそのまま公開する薄いコンテンツです。
こうしたコンテンツの特徴として、文章の表面的な流暢さに反して具体性が欠如していること、どのトピックを扱っても似たような構成・似たような結論になること、そして読者が実際に行動するための情報(具体的な数値・手順・注意点・例外ケースなど)が著しく不足していることが挙げられます。
- 文章は読みやすいが、どの段落も当たり障りのない一般論のみで構成されている
- 検索意図に対する回答が本文の末尾でようやく登場し、それ以前の大半が冗長な前置きになっている
- 同一テーマの競合コンテンツと内容がほぼ同じで、独自の切り口・データ・事例が皆無
- 複数記事にわたって同じような文章構成が繰り返されており、サイト全体の均質性が高い
- ユーザーが抱く「次の疑問」に答える情報が含まれておらず、コンテンツが一方向的に完結している
Googleはヘルプフルコンテンツシステムをサイト全体の評価に適用しています。つまり、一部の記事だけが薄くても、それがサイト全体の評価を引き下げる可能性があります。大量のAI生成コンテンツを短期間で公開したサイトが順位を大幅に落とした事例は、2025年以前から繰り返し報告されています。
検索意図とのズレが生じているコンテンツ
キーワードは適切に含まれているにもかかわらず、実際にそのキーワードで検索するユーザーが求めている情報を提供できていないコンテンツも、評価が下がりやすいパターンの一つです。
例えば「〇〇 おすすめ」で検索するユーザーは比較情報と選定基準を求めているのに、記事の大半が〇〇の概要説明に費やされているケースや、「〇〇 やり方」で検索したユーザーに対して手順よりも背景知識の説明が優先されているケースがこれに当たります。Googleは検索意図を情報型・ナビゲーション型・取引型・商業調査型の4類型で整理しており(Google Search Centralのドキュメント参照)、それぞれの意図に対してコンテンツが適切に応答しているかを評価軸の一つにしています。
更新が止まり、情報の鮮度が失われたコンテンツ
時事性や制度・規制に関わるテーマでは、情報の鮮度が評価に直結します。過去に上位表示されていたコンテンツでも、内容が数年前の状態のまま放置されている場合、コアアップデートを機に順位が急落するケースが少なくありません。
- 法律・税制・保険・医療など、制度変更の影響を受けやすい分野で古い情報が残っている
- 「最新情報」「2024年版」などと記載されているにもかかわらず、内容が更新されていない
- 統計データや調査結果を引用しているが、出典が古く現状を反映していない
これらのパターンに共通しているのは、いずれも「Googleのルールを形式的に満たすこと」を優先した結果として生まれているという点です。アルゴリズムを攻略しようとするアプローチそのものが、コアアップデートで評価を下げる根本原因になっています。
コアアップデート後の順位回復に有効な施策と優先順位マップ

コアアップデート後に順位が下落した際、焦って多くの施策に手を出しても効果は分散し、回復までの時間がかかるだけです。限られたリソースを最大限に活かすためには、インパクト(効果の大きさ)×工数(実施に必要な時間・労力)の2軸で施策を整理し、優先順位を明確にしてから着手することが重要です。
優先順位マップの全体像
施策を以下の4象限に分類することで、どこから手をつけるべきかが明確になります。
- 【最優先】高インパクト×低工数: 即効性があり、少ない労力で大きな効果が期待できる施策。まずここから着手する
- 【第2優先】高インパクト×高工数: 効果は大きいが時間・リソースを要する施策。計画的に取り組む
- 【第3優先】低インパクト×低工数: 効果は限定的だが手軽に実施できる施策。第1・第2優先の合間に対応する
- 【後回し】低インパクト×高工数: コストパフォーマンスが低い施策。リソースに余裕が生まれるまで保留する
【最優先】高インパクト×低工数の施策
順位回復において最初に手をつけるべきは、既存コンテンツの品質改善です。新規ページを量産するよりも、すでにGoogleにインデックスされているページを磨き上げるほうが、インデックス評価の再計算という観点からも効率的です。
- 下落ページの情報鮮度更新: 統計データ・事例・法改正情報など、時間経過で陳腐化した箇所を特定し、2026年時点の最新情報に差し替える。既存の文章構造を大きく変えずに済むため、比較的短期間で実施できる
- E-E-A-Tシグナルの表面化: 著者プロフィール欄に実績・資格・経験年数を明記する、監修者情報を追加するなど、すでに持っている専門性をページ上で可視化する。制作コストは低いが、信頼性シグナルへの影響は大きい
- タイトル・メタディスクリプションの見直し: 検索意図とのズレがないかを確認し、クリック率の改善と検索意図の合致度向上を同時に狙う。実装コストは最小限で済む
- 低品質コンテンツへのnoindex設定: 薄いページや重複コンテンツがサイト全体の評価を引き下げている場合、noindexタグを付与してクロールリソースの集中化を図る
【第2優先】高インパクト×高工数の施策
中期的な回復を支えるのが、コンテンツの抜本的な刷新と内部構造の改善です。これらは工数がかかる一方で、サイト全体の評価底上げに直結します。
- コンテンツの網羅性・独自性の強化: 競合ページと比較して不足しているトピックを洗い出し、一次情報・独自調査・専門家の見解を加えてページの深度を高める。単なる情報の羅列ではなく、読者が実際に行動できるレベルまで情報を具体化することが求められる
- 内部リンク構造の再設計: 関連性の高いページ同士が適切にリンクされているかを見直し、評価を集中させたいページへのリンクを整理する。サイト規模が大きいほど工数はかかるが、クローラビリティと評価の分散解消に効果が高い
- Core Web Vitalsの改善: LCP(最大コンテンツ描画)・INP(次の描画までの応答時間)・CLS(累積レイアウトシフト)の各指標をGoogle Search Consoleの『ウェブに関する主な指標』レポートで確認し、技術的なボトルネックを解消する。参考: Google Search Console ヘルプ(https://support.google.com/webmasters/answer/9205520)
- 構造化データの整備: Article・FAQPage・BreadcrumbなどのSchema.orgマークアップを実装し、Googleがコンテンツの意味を正確に解釈できる状態を整える
【第3優先】低インパクト×低工数の施策
単体での効果は限定的ですが、積み重ねることで信頼性シグナルの底上げに貢献します。第1・第2優先の施策と並行して対応できる範囲で進めましょう。
- SNSプロフィールや外部メディアへの著者情報の統一: 著者名・所属・実績を複数のプラットフォームで一貫させることで、エンティティとしての認識精度が高まる
- 古いページの更新日の見直しと正確な記載: 実質的な内容更新を伴わない更新日の書き換えは評価に悪影響を与えるため、実際にコンテンツを改訂した日付のみを正直に反映する
- ユーザーレビュー・引用元の明記: 統計データや調査結果の出典を政府機関・学術機関のURLとともに明記し、情報の信頼性を担保する
施策に取り組む際の実践的な注意点
優先順位マップを活用する際に見落としがちな点が2つあります。
1つ目は評価反映までのタイムラグです。コアアップデート後の改善効果が検索順位に反映されるのは、次回のコアアップデートのタイミングになることが多く、数週間から数ヶ月単位での観察が必要です。短期間で効果が見えないからといって施策を変更し続けると、何が効いたのかの検証ができなくなります。
2つ目は施策の独立性の維持です。複数の施策を同時に実施すると、どの変更が順位回復に寄与したのかが分からなくなります。特にコンテンツ刷新と技術的改善を同時に進める場合は、Google Search ConsoleやGoogle Analytics 4のデータを施策ごとに記録し、変化の前後を比較できる状態を保つことが重要です。
順位回復は一夜にして達成されるものではありませんが、インパクトの高い施策から計画的に実行することで、次のコアアップデートに向けた土台を確実に積み上げることができます。
次回アップデートに備える事前対応チェックリスト30項目

コアアップデートへの対応は、アップデートが展開されてから慌てて着手しても手遅れになるケースが少なくありません。Googleは公式ドキュメント「Google検索のコアアップデートについて」の中で、良質なコンテンツを継続的に作ることが最善の準備だと明言しています。つまり、事前の体制づくりこそが最大の防御策です。以下の30項目を技術・コンテンツ・権威性の3カテゴリに分け、担当者が実作業レベルで点検できる粒度でまとめました。月次レビューや四半期ごとのサイト監査のチェックシートとして活用してください。
技術面チェックリスト(10項目)
技術的な問題は、どれほど優れたコンテンツがあってもGoogleのクロール・インデックスを妨げる原因になります。以下の項目はGoogle Search ConsoleやPageSpeed Insightsなどの公式ツールで確認できるものを中心に選定しています。
- 【技術-01】Google Search Consoleのカバレッジレポートで「除外」「エラー」に分類されているURLを洗い出し、意図しないインデックス外しがないか確認する
- 【技術-02】Core Web Vitals(LCP・INP・CLS)の実フィールドデータをSearch Console「ウェブに関する主な指標」レポートで確認し、「改善が必要」判定のページをゼロに近づける(参照:https://developers.google.com/search/docs/appearance/core-web-vitals)
- 【技術-03】モバイルユーザビリティレポートでタップターゲットの重複・テキストの小ささ・ビューポート未設定のページが残っていないか点検する
- 【技術-04】HTTPSが全ページで正しく提供されており、混在コンテンツ(Mixed Content)の警告がブラウザコンソールに出ていないか確認する
- 【技術-05】XMLサイトマップに掲載されているURLと、実際にインデックスされているURLの乖離率を算出し、10%以上の乖離がある場合は原因を特定する
- 【技術-06】robots.txtで誤って重要なディレクトリやパラメータURLをDisallowしていないか、Googleのrobots.txtテスターで検証する
- 【技術-07】重複コンテンツの原因となるURLパラメータ・wwwあり・なし・末尾スラッシュの正規化がcanonicalタグとリダイレクト設定で一貫しているか確認する
- 【技術-08】内部リンクに404エラーが発生しているURLが含まれていないか、Screaming Frogなどのクロールツールで全ページを走査する
- 【技術-09】構造化データ(Schema.org)のマークアップをGoogleのリッチリザルトテストで検証し、エラーや警告が出ているページを修正する(参照:https://search.google.com/test/rich-results)
- 【技術-10】ページ速度に影響する未使用JavaScript・CSSのサイズをPageSpeed Insightsで確認し、優先度の高い遅延要因から順に削減計画を立てる
コンテンツ面チェックリスト(10項目)
Googleのコアアップデートが最も影響を与えるのがコンテンツ品質の評価です。Googleが公開している「自己評価のための質問リスト」(参照:https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content)を実作業に落とし込んだ形で以下にまとめています。
- 【コンテンツ-01】直近12ヶ月以内にトラフィックが50%以上減少しているページを抽出し、「情報が古い」「独自の知見がない」「検索意図とずれている」のいずれに該当するかを分類する
- 【コンテンツ-02】各記事が検索ユーザーの悩みを実際に解決しているかを確認するため、記事を読み終えたあとに追加検索をしなくて済む情報量が揃っているかを手動でレビューする
- 【コンテンツ-03】生成AIで量産した可能性があるページを洗い出し、専門家による一次情報・実体験・独自データが加えられているかを確認する
- 【コンテンツ-04】「役に立つコンテンツシステム」の評価対象になり得る、サイト内の低品質・薄いコンテンツのページ比率を算出し、改善または統廃合の優先順位をつける
- 【コンテンツ-05】タイトルタグとh1が誇張・センセーショナルな表現になっていないかを全ページスキャンし、本文の内容と一致しているかを照合する
- 【コンテンツ-06】YMYL(健康・金融・法律など生活に直接影響する)ジャンルのページに、資格・専門性を示す著者情報と更新日が明記されているかを確認する
- 【コンテンツ-07】画像にalt属性が適切に設定されており、キーワードの詰め込みではなく画像の内容を正確に説明しているかを点検する
- 【コンテンツ-08】情報の鮮度が評価に影響するニュース・法律・製品情報系のページについて、最終更新日から6ヶ月以上経過しているものをリストアップし、更新スケジュールを設定する
- 【コンテンツ-09】内部リンクの錨文字(アンカーテキスト)がリンク先ページの内容を正確に説明しているか、「こちら」「詳しくはこちら」のような説明不足の表現が多用されていないかを確認する
- 【コンテンツ-10】ユーザーが求める情報より先に広告・ポップアップ・メールマガジン登録フォームが表示される設計になっていないかを、実際のモバイル端末でファーストビューを確認する
権威性チェックリスト(10項目)
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)はGoogleの品質評価ガイドライン(参照:https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.rateit.net/en//quality_raters_guidelines.pdf)において、コアアップデートの評価軸として繰り返し言及されています。以下の項目は特に「T(Trust)信頼性」の向上に直結する確認事項です。
- 【権威性-01】会社概要・運営者情報ページに、法人名・所在地・電話番号・代表者名が記載されており、情報が現時点でも正確かを確認する
- 【権威性-02】著者プロフィールページが存在し、実名・顔写真・資格・過去の実績・SNSアカウントへのリンクが掲載されているかを確認する
- 【権威性-03】コンテンツの根拠として引用している外部リンクが、政府機関・学術機関・業界団体など一次情報源にリンクしているかを点検し、閉鎖・移転しているURLを修正する
- 【権威性-04】Googleビジネスプロフィールの情報(名称・住所・電話番号・カテゴリ)がウェブサイト上の情報と完全に一致しているかを確認する
- 【権威性-05】被リンクプロフィールをGoogle Search Consoleのリンクレポートで確認し、スパム的・無関係なサイトからのリンクが増加していないかを監視する。問題があれば否認ファイルの更新を検討する
- 【権威性-06】プライバシーポリシー・特定商取引法に基づく表記・免責事項が最新の法令に対応した内容で掲載されているかを法務担当者または専門家と確認する
- 【権威性-07】ユーザーレビュー・導入事例・第三者認証ロゴなど、第三者の視点からサービスの信頼性を裏付けるコンテンツが主要なランディングページに配置されているかを確認する
- 【権威性-08】SNS公式アカウント(X・LinkedIn・YouTubeなど)がウェブサイトからリンクされており、直近3ヶ月以内に更新されているかを確認する
- 【権威性-09】他メディアへの寄稿・取材掲載・登壇実績がある場合、その実績がサイト内のプレスリリームページや実績紹介ページに反映されているかを確認する
- 【権威性-10】問い合わせフォームまたはサポート窓口が正常に動作しており、ユーザーがフィードバックを送れる導線がサイト全体に用意されているかを実際に送信テストして確認する
上記30項目をすべて一度に対応しようとすると現場の工数が圧迫されます。実務上は技術エラーの解消を最優先としつつ、コンテンツ品質と権威性の改善を並行して進めるフローを組むと、限られたリソースでもアップデート前に主要な弱点を潰せます
業種別コアアップデートの影響度と対策の重点ポイント

コアアップデートへの対策は、サイトの業種・カテゴリによって重点を置くべきポイントが大きく異なります。すべての業種に同じ対策を均一に適用しても効果は限定的です。自社サイトがどのカテゴリに属するかを正確に把握したうえで、優先すべき施策を絞り込むことが実践的な対応の第一歩です。
YMYL領域(医療・金融・法律):E-E-A-Tの証明が最優先課題
GoogleはYMYL(Your Money or Your Life)領域を、ユーザーの健康・財産・安全に直接影響しうるカテゴリとして特別に厳しく評価します。医療・金融・法律サイトがコアアップデートで大きな打撃を受けやすいのは、この評価基準の厳格さによるものです。
この領域における対策の最優先事項は、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を外部から客観的に証明することです。コンテンツの質だけでなく、そのコンテンツを誰が書いたかが評価の核心になります。
- 医療サイト:執筆者・監修者の資格情報(医師免許番号、専門学会への所属など)を明示する。情報の根拠となる一次情報源(厚生労働省、国立がん研究センターなどの公的機関)へのリンクを明記する。記事の最終更新日と医学的な見直し日を分けて表示することも有効です。
- 金融サイト:金融庁への登録・認可情報の明記、執筆・監修者のFP資格や証券アナリスト資格といった業界認定資格の提示が重要です。投資に関するコンテンツでは、リスク開示を適切に行っているかどうかもGoogleの品質評価に影響します。
- 法律サイト:弁護士・司法書士など国家資格保有者による監修・執筆体制の明示が不可欠です。法律は頻繁に改正されるため、コンテンツの情報鮮度管理(改正対応の更新履歴の明記)が特に重要な対策になります。
YMYL領域では、コンテンツの量よりも信頼性の証明に優先的にリソースを投下してください。サイト全体のAboutページ・運営者情報の充実、外部の権威あるサイトからの言及(被リンク)の獲得が、コンテンツ改善と並行して取り組むべき施策です。
一般商業サイト(EC・サービス業):ユーザー体験と独自情報の差別化
ECサイトやサービス系の商業サイトは、YMYL領域ほど専門資格の証明は求められませんが、コアアップデートにおいて別の評価軸で厳しく見られます。それは、同カテゴリの他サイトと比べてユーザーに対して独自の価値を提供できているかという点です。
- 独自コンテンツの比率:商品説明文がメーカーや卸業者から提供された文章をそのまま使用している場合、重複コンテンツとして評価が下がるリスクがあります。自社での実使用レビュー、比較情報、独自の選定基準など、他サイトにない情報を加えることが優先課題です。
- レビュー・口コミの信頼性:Googleはレビューコンテンツの質を独立した評価軸として持ちます。購入者の実体験に基づく具体的なレビューを収集・掲載する仕組みを整えることが、商業サイトの評価向上につながります。
- Core Web Vitalsへの対応:商業サイトでは、LCP(最大コンテンツ描画)やCLS(累積レイアウトシフト)などのページ体験指標がコンバージョンとSEO評価の両面に直結します。PageSpeed Insights(https://pagespeed.web.dev/)で定期的にスコアを確認し、75パーセンタイル以上の水準を維持することを目標にしてください。
メディアサイト・ニュースサイト:情報の鮮度と一次情報の取材力
メディア・ニュース系サイトは、コアアップデートのたびに大きな順位変動が起きやすいカテゴリです。過去のアップデート事例を振り返ると、独自の取材・調査に基づかないまとめ記事やリライト記事が中心のサイトは、アップデートのたびに評価を下げる傾向が確認されています。
- 一次情報の比率を高める:他メディアの情報を整理・まとめるだけのコンテンツは、Googleが求める独自性の基準を満たしにくくなっています。自社の取材、アンケート調査、独自データ分析など、他サイトが再現できない情報を含む記事の比率を増やすことが最重要施策です。
- 著者情報の整備:記事ごとに執筆者の経歴・専門領域を明示するAuthor Pageを設けることが、メディアサイトのE-E-A-T強化において効果的です。著名なライターや専門家との協力関係を外部から見えるかたちで示すことが評価につながります。
- 古い記事の品質管理:メディアサイトは記事本数が多い分、低品質コンテンツが積み重なりやすい構造を持ちます。情報が古くなったコンテンツの更新、または検索流入がなく独自性も低い記事のnoindex指定・統合を定期的に行うことで、サイト全体の評価を底上げできます。
自社サイトの対策優先付けの手順
上記の業種分類を踏まえたうえで、以下のステップで自社の対策優先順位を決定してください。
- ステップ1:カテゴリ判定 自社サイトのコンテンツテーマがYMYLに該当するか否かを確認します。健康・医療・金融・法律・安全に関わる情報を扱う場合はYMYL領域として扱います。
- ステップ2:現状のE-E-A-T評価の棚卸し 運営者情報・著者情報・外部からの信頼性証明(被リンク、メディア掲載実績など)が現時点でどこまで整備されているかをリスト化します。
- ステップ3:コンテンツ独自性の診断 主要な集客記事が、競合他社や他メディアと比較して独自情報を含んでいるかをGoogle検索上位10件と照らし合わせて確認します。
- ステップ4:業種に応じた最優先施策への集中 YMYL領域であれば専門家との監修体制整備を最初に着手し、商業サイトであればコンテンツの独自化とCore Web Vitalsの改善を並行して進めます。リソースを分散させず、業種の評価基準に合った施策に集中することが短期間での効果最大化につながります。
業種の特性を無視した画一的な対策は、投下したリソースに見合った成果が出にくくなります。自社が属するカテゴリの評価軸を正確に把握したうえで対策を組み立てることが、コアアップデートへの効果的な対応の基本です。
2026年以降のコアアップデート対策で押さえるべき中長期戦略

コアアップデートへの対応を「ダメージが出たら修正する」という後手の繰り返しで終わらせているサイトは、長期的に見ると評価の安定を得られません。Googleが目指しているのは短期的な最適化への報酬ではなく、ユーザーにとって本質的に価値あるサイトへの継続的な評価です。そのため、2026年以降の戦略は単発の対応策を積み上げるのではなく、サイト全体の権威と専門性を時間軸をかけて構築していく発想に切り替える必要があります。
コンテンツポートフォリオの設計という考え方
中長期戦略の土台となるのが、個々の記事ではなくサイト全体のコンテンツ構成を俯瞰した設計です。特定のテーマについて、入門から応用・事例・比較・Q&Aまで体系的に網羅したコンテンツ群を持つサイトは、そのテーマにおける専門的な情報源としてGoogleに認識されやすくなります。
具体的には、以下の観点でコンテンツのポートフォリオを整理することが有効です。
- 軸となる柱コンテンツ(ピラーページ)を設定し、関連するサブコンテンツがそこに集約される構造を作る
- 検索意図の段階(認知・比較・決定など)ごとにカバーできているかを定期的に点検する
- 過去に作成した記事が現在の情報と乖離していないか、定期的にリライトサイクルを回す
- アクセスが集中する記事と内部リンクで接続することで、サイト全体の評価を底上げする
ポートフォリオ設計は一度作って終わりではなく、コアアップデートのたびに「どのテーマで評価が落ちたか」を確認しながら補強していくPDCAの対象として位置づけてください。
専門性の蓄積を組織的に行う
Googleは直近のアップデートを通じて、コンテンツの深さと一貫性をより重視する方向を示しています。あるテーマについて表面的な情報を幅広く並べているサイトより、特定の領域を深く掘り下げているサイトのほうが評価されやすい傾向が続いています。
専門性の蓄積を継続するためには、以下のような組織的なアプローチが求められます。
- 担当領域を明確にし、特定のライターや編集者がそのテーマを継続的に担う体制を作る
- 業界の変化や新情報を定期的にキャッチアップし、コンテンツに反映させるプロセスを設ける
- 一次情報(独自調査・インタビュー・事例取材)を定期的に生産し、他サイトとの差別化を図る
- 外部の専門家による監修や寄稿を活用し、コンテンツの信頼性を第三者の視点で担保する
専門性は短期間で作れるものではありません。テーマを絞ってコンテンツを積み上げる期間を確保することが、コアアップデートに揺らがない評価の土台になります。
著者プロフィールと発信者の信頼性を育てる
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の観点から、コンテンツの発信者が誰であるかという情報はGoogleの品質評価に影響を与える要素として機能しています。Googleが公開している検索品質評価ガイドライン(Search Quality Evaluator Guidelines)でも、著者の資格や経歴の確認可能性が品質評価の一指標として言及されています。
著者プロフィールの強化においては、次の点を継続的に整備することが重要です。
- 著者ページに実名・経歴・資格・実績を具体的に記載し、コンテンツと紐づける
- 著者がソーシャルメディアや外部メディアでも発信しており、外部から参照されている状態を作る
- 著者名で検索したときに信頼できる情報が確認できるよう、Web上の存在感(エンティティ)を育てる
- 医療・法律・金融など特にYMYL(Your Money Your Life)領域では、有資格者による監修を明示する
著者の信頼性はサイト全体の権威性に直結します。一人の著者が継続的に専門性の高い記事を発信し続けることで、その著者自体がブランドになっていく流れを意図的に作ることが、中長期戦略の核心のひとつです。
定期的な評価サイクルを仕組みとして持つ
中長期戦略を絵に描いた餅にしないためには、評価と改善のサイクルを仕組みとして組み込むことが必要です。コアアップデートは年に複数回実施されていますが、アップデートの前後だけ対応するのではなく、日常的な運用の中にSEO評価の点検を組み込んでください。
- 月次でGoogle Search ConsoleおよびGA4を用いて、クリック数・表示回数・クリック率の推移を確認する
- 半期に一度、コンテンツの質と情報鮮度を一覧でレビューし、優先的にリライトすべき記事を特定する
- Googleのコアアップデートリリース情報は公式ブログ(Google Search Central Blog: https://developers.google.com/search/blog)で確認し、アップデートの方向性を把握する
- 競合サイトの評価変化を定期観測し、自サイトの相対的な立ち位置を確認する
コアアップデートへの耐性は、日々の積み重ねによってしか形成されません。権威の構築・専門性の深化・著者信頼性の向上という三つの柱を、継続的な仕組みの中で育て続けることが、2026年以降のGoogleアルゴリズムに安定して評価されるサイトの条件です。
自サイトの現状を客観的に診断したうえで、中長期戦略の優先順位を整理したい場合は専門家への相談も選択肢のひとつです。SEO無料相談はこちら